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2007年10月21日 (日)

桃源郷に住んで....その5

続きです。

世間は 何事もなく 普段の生活を送っているというのに
私たち 総勢何人いたのかなあ。

先生一家、弟さん夫婦と子供達、そして 先生の叔母さんたち一家。
その子供たち。
わたしたち スタッフ・・・っていっても
一人は 山を降りたから
私と 先輩の男性スタッフ。

親族でないのは 私たちだけだったんだわね。

山小屋で 共同生活でした。
私は 叔母さんたちと一緒でね。

始めの一週間は
いつ 地震が来るのか?って 不安な日々ではあったんだけど
そのうちに みんな
大丈夫そうじゃない?って 雰囲気がただよっていましたね。
誰も 口にはださなかったけど。

で、 そのうち 共同の炊事場ができて。
水道はもちろん無い。
電気もガスも無い。んだけど
みんなで 調理したりとかね。

嫁、姑、大姑、小姑・・・・
だいたい 女性って 台所のことで もめるので・・・
料理がとーっても上手な お嫁さんだったんだけど、
愚痴れるのは・・・ 唯一他人の女って 私だけだったからねー。

 電気は あったのかな?途中からあったのかな。
はじめは大きなランタンみたいなのだったような。
もう 30年近く前なので・・・細かいところは 覚えてないや。

はじめは まいにち カップラーメン食べたので、
もう一生カップラーメンは食べたくない!です。見るのも ニオイも嫌。
(なんだけど うちの旦那様、大好きなんですよね~)

水は 大きなタンクに備蓄してたので、食用にはそれを使って。
洗い物なんかには なんと 雨水を使った!
しばらくは 台風で まいにち雨降ってたからね。
雨がやんでからは 雨水ためたの使ったのかな・・・(ギョッ)
茶碗は それで洗った気がするし
雨水で お米研いだ覚えはあるんだよ~。

もちろん 洗濯は 手洗いで
しばらくしてからは ちょっと下降りたところに 川があって
川にも洗濯しに行った・・・
この時、洗濯板の便利さを知りましたよ~。使い方もね。
(あれ、上下があるのよね)

冷蔵庫なんて 勿論無いから
マーガリンとか 窓の脇とかに置いてあったりして
ありさんの行列・・・・になった。
蟻って 油にも来るんですね~。

しばらくして 買い出しにふもとの町まで
戦時中みたいな格好で行って
(モンペに長靴・・・みたいな)
もう 完全に 感覚・・マヒしてたかも。

でも 何週間か 1ヶ月くらいしてからかな?は 電気引いて 水道も引いたと思うんだけど・・・
住まいのある 山小屋から 少し降りたところに
もともと 引越す予定で建てた アトリエと
大きな お風呂が出来上がる寸前くらいだったと思う・・・
ここには 電気、ガス、水道が通ってたから・・・

大分日数が経ってからは ラジウム温泉?ラドン温泉?かなあ
要するに 放射線石を入れたお風呂が出来上がって
みんな お風呂にも 入れるようになった。

私たちは 100ページ読みきりの締め切りがあったので
山ごもりしながらでも 毎日新しいアトリエに通って 仕事してました。

この作品は 八郎坊天狗(ああ、もう漢字がわからないわ、どんな字だったかしら)
さまが登場したり 魔物が登場したりもする
平安朝くらいの時代ものでして かなり 不思議な作品でしたね。

当時のまんがでは 最先端のオフセット印刷で 掲載します!っていうんで
グレートーンとかが 出てしまうのね。

普通は 黒のハッキリした線しか 印刷に出ないのです。
だから グレーとかにしたい場合は スクリーントーンっていう シールみたいなのを 原稿の上から貼るの。
点々模様で 濃いのから薄いのまで あったりするんです。
他にも いろいろ 細かい模様のとかもね。
(最近、スクリーントーン目にしたら びっくりするくらい 進化してましたけどね~)

で、 このオフセット印刷だと
鉛筆の線とか 鉛筆で塗ったりしたくらいのが 印刷に出ちゃうのよ。

だから 下書きの線も しっかりちゃんと 消さないとダメだし
でも いつもとは違う 鉛筆のままの柔らかい線とかも OKなので
着物の柄とかは 結構凝れるんですよね。
(凝ると あとで ドツボにハマるんだけど、始めはまだ 余裕があるからね~)

私は だいたい着物の柄やら 髪の毛のつやつやっとした線とか
バックのお花とか 点描とかベタとか こまごましたものの担当だったので
この人物の着物は この模様で、とかを
考えて 先生にOKいただいたら それを描くのですねー。

男性の先輩は 主に風景とか
人物の下絵とか 入れてました。

人物にペン入れるのは 先生なの。
やっぱり 先生がペンを入れると 絵が生きるんですよね。
それは やっぱり見事でしたよ~。
線が違うんですよね。同じペン使ってるはずなのに・・・

生原稿って ホントに綺麗ですもん。
印刷すると かなり 落ちますから
いつも 印刷して100%伝わるように 120%の力で描きなさい!と
言われていました。

さすがに 一時、一世を風靡した先生ですから
プロ意識とかは スゴイものがありましたし
ほんとに いろいろ学ばせていただいたんですよ。

アトリエに 沢山張り紙がしてあって

「成功するまで努力すれば 必ず成功する!」
とかね。
「プロは 早くみごとに心をこめて」
とかもあったな~。

あとは 忘れちゃったけど・・・

当時30歳で 超美人でスタイルの良い先生でね~
どうしたら そんなにスタイル良くなれるんですか?って 聞いたことあるの。
だって ケーキだって召し上がるし

そしたらね、ケーキ食べる時には
ケーキに あそこに行くのよ、って言い聞かせて食べるのよ
ですって。
そういう メンタル面は もう、すごかったんですよねー。

先生の話すると 敬語になっちゃうの。
アトリエでは みんなそうだったからね。
かしこまりました!とかってお返事でね。
(でも 時々 「先生これはヤバイでしょうか?」なんて聞いちゃう子もいて
失笑をかってましたけど・・・)

でもね、 本当にそういう雰囲気を持った方でした。
宗方コーチと お蝶夫人を足して2で割って
ひろみちゃんの可愛さを足したみたいな・・・・

正直 あとにも先にも あんなオーラを持った方には
会ったこと無いですね。

と いう訳で またまた 続く・・・眠くなってきちゃったし、明日早いしね。
という事で。おやすみなさーい。

                                (つづく)



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コメント

眠いのにおつかれ~~。
でもなんともすさまじい実体験!仰天驚愕の連続ですね。
洗濯板知ってる人あなたの年齢でいるかなぁ~・・。

先生のオーラ。わかるような気がします。
つづきたのしみ。急ぎませんよ~~。

投稿: torisan | 2007年10月23日 (火) 06時42分

こんにちは。
スクリーントーンは新聞のデザイン担当も使っていました。最近はすべてPCで作成するので職場からは駆逐されちゃったのかな?

続きお待ちしてます。

投稿: 日野原信生 | 2007年10月23日 (火) 10時31分

わくわくオンマさん、お邪魔します♪

>宗方コーチと お蝶夫人を足して2で割って
>ひろみちゃんの可愛さを足したみたいな・・・・

ぜひご尊顔を・・・と、あるかどうかもわからない画像を求めてネット検索してみたワタシ☆
確かお名前は「山本美鈴」だったような、と思った頓珍漢なワタシがググってみたところ、いきなり「山本美鈴さん」というサイトが上位にヒット!
http://www.arutemisu.com/2005/Guest/Photograph%20collection/0492.html
さっそくクリックすると、なるほどそこには「お蝶夫人と宗方コーチを足して二で割ったような」ポートレートが何枚も!!

・・・でも、何か違うような。(当たり前!)

じゃあ、あの「山本美鈴さん」って一体・・・。(謎)

失礼いたしました。

投稿: nobvko 《水野暢子》 | 2007年10月30日 (火) 22時38分

To 風信子(ヒヤシンス)さん

>確かお名前は「山本美鈴」だったような、と思った頓珍漢なワタシがググってみたところ、いきなり「山本美鈴さん」というサイトが上位にヒット!

こんばんは~!いらっしゃいませ!
ええ~っと・・・
お名前 ちょっと違いますよん。
美鈴ちゃんって キャラクターもあったけどね~。

一応 実名出さなくても わかる人は判るんだけど
あんまり ストレートに出すのは はばかれるもので・・・
内容が内容だしね。

投稿: わくわくオンマ | 2007年10月30日 (火) 22時59分

To わくわくオンマさん

>お名前 ちょっと違いますよん。

大丈夫です♪
その後、頓珍漢なワタシにも正しいお名前がわかりましたが、やはりこちらにストレートに書き込むのは、はばかられたもので。(笑)

>美鈴ちゃんって キャラクターもあったけどね~。

そうなんですか!
ビックリついでに(?)変なことお尋ねしてもよろしいでしょうか。
その作者様は山梨の方だそうですが、あの「山本勘助」とは関係ないですよねぇ?やっぱり。(汗)
大河ドラマで勘助役の内野聖陽さんは、別局のドラマで宗方コーチ演ってたようですが。(ワタシは観てません☆)

寝ぼけた質問でスミマセン〜。

投稿: nobvko 《水野暢子》 | 2007年10月30日 (火) 23時22分

漫画の世界でも、お水の世界でも、どんな世界でも
オーラのある人との出会いや思い出って強烈なものがありますよね。

30年前か・・・
わたしがお水デビューして華やかなネオン街で修行をしている同じ頃、
オンマさんは冷蔵庫もない山の中で修行をしていたなんて。(笑)

なんだか想像したら楽しくなって来ました~。(^▽^アハハ

投稿: みちこ | 2007年10月31日 (水) 01時59分

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